素材はポリエステル、ドライTシャツと呼ばれるこのTシャツはスポーツをされる方に好まれていて吸汗性と速乾性に優れています。
ただしプリントをしている業者としてはプリントに向いていない素材としてあまり好まれてはいません。
パイナップルファクトリーとしても長い間プリントに関して色々と悩みの種となっています。
まず大きな問題点としてプリントした後に高温で熱処理する時にプリントしたインクにポリエステル素材を染めてある染料が溶け出してきてインクを濁らせてしまう事です、私たちはこれをブリードと言っています。
ローブリードインクと言ってこの様なブリードを押さえるためのインクはありますが、残念ながら100%の効果はありません、そしてメーカーによってポリエステル素材の染めの状態が違うため効果にもばらつきがあります。
もう1つの対策としては水性のラバーインクを使って低温で熱処理をする方法があります、素材を染めてある染料は一定の温度に達しなければインクに溶け出す事がないのです、しかし水性ラバーインクは隠蔽力が低いため地の色が透けたり、そして洗濯に対してもインクが徐々に落ちてきたりということがあります。
ブリードは黒や紺そして赤などの濃色生地に白やイエローなどの明るい色をプリントする場合に問題になります。
白などの淡色生地に黒や紺などの濃色をプリントする場合はブリードは気にならないので大丈夫なのですが、吸汗性に優れているせいでプリントしたインクをすぐに熱処理しないと毛細現象でプリントの周りが滲んでくるので気をつけなければなりません。
他にも問題点はあるのですが長くなってしまうので今日はここまでとさせていただきます。
最後にサンプルとして写真左下がポリエステル素材の黒のTシャツにイエローと赤をプリントしたものです、ブリードして発色が悪くなっています。
そして写真右下が綿100%の黒のTシャツに白、赤、ターコイズブルー、黒をプリントしたものです、ブリードはしないので鮮やかな発色のままです。
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